茶祖 織田有楽斎

如庵

 織田有楽斎(おだうらくさい)は隠居の際、京都・臨済宗大本山建仁寺塔頭正伝院を再興し、元和四年(西暦1618年)に客殿・庫裡・書院とともに茶室「如庵(じょあん)」を建てています。
 如庵はその後、歴史的経緯により移転を繰り返し現在は、愛知県犬山市の有楽苑に移築されています。写真の茶室「如庵」は平成8年、京都・正伝永源院に模して建てられたものです。


「茶祖 織田有楽斎」

 織田流煎茶道は織田有楽斎を茶祖とし、現家元で十六代を数えます。織田有楽斎は織田信長の弟で、国宝になっている茶室「如庵」を作ったことでも知られている大名茶人です。東京の有楽町は、有楽斎の江戸屋敷があったところから名付けられたものです。
 有楽斎の茶は、抹茶は「有楽流」、煎茶は「織田流」として現代に伝えられています。
 織田流煎茶道は、有楽の大名茶の流れを汲んで、格調の高さと優美さを特色としていますが、抹茶の影響も多分に受けており、煎茶各流派の中でも独自の位置を占めております。
 江戸時代から「有楽の茶は、客をもてなすをもって本義となす」と評されており、その有楽の心を受けて、織田流にはつぎの三つの口伝が伝えられています。
 

「口伝」

一、相手に窮屈な思いをさせぬこと

一、相手に恥を掛かせないこと

一、相手に満足感を与えること

 この口伝は、お茶の世界にとどまらず、これからの国際社会においても、参考にしてよい教えだと思います。この口伝の心を広め、後世に伝えることが、私どもの使命と考えています。


織田流煎茶道 家元
奥 村 南 裕